「今日は転校生を紹介する」


朝礼の時に先生はそう言った。

転校生なんて珍しい……。

しかもこんな不良校に。


「じゃあ、宮瀬入ってくれ」

宮瀬……?


「はい」


声からして、男の子かな?


「……!」

先生に呼ばれて入ってきた転校生は私の幼馴染だった。

びっくりした……。

けど、それよりも気まずいという気持ちの方が強
い……。


「宮瀬琉陽です。よろしく」


やっぱり、驚きの方が大きいかもしれない……。

黒い髪に黒い目、綺麗な顔、身長が伸びてシュッとして
いるものの、その姿は見慣れたものだった。

けど、2年前と決定的に違うのは表情……。

まるで死んだみたいになんの感情もこもっていない。

どうして……?

あんなに表情豊かだったのに……。

この2年間で何があったんだろう……。