パラノイア境界線



泣き疲れて、霞む視界。
膝を抱えて、通り過ぎていく人達を見送る。


どうして、昴は立ち止まってあたしに声をかけたの?
あのとき聞いておけばよかった。


一挙一動が鮮明に蘇ってくる。

あたしの名前を呼ぶ優しい声が今でも耳元で囁かれてるみたいで

耳が熱いよ。