人生2周目 青春リベンジ!!!



バイト終わりの帰り道。
コンビニの袋を片手に、高尾はふと足を止めた。

蒸し暑い夜風。
なんだかやけに、胸の奥がザワザワしていた。

――ムギに時間ある?って聞かれて、
ないって嘘ついた日。

あれから、ずっと後悔してる。

(あのとき、素直に残ってたら、
ムギは……なにを話してくれたんだろう)

思い出すたび、喉の奥が詰まる。


「……もういい。俺も、ちゃんとやる」

コンビニの袋を握る手に力が入る。

(勝てないって、どこかで決めつけてたのは俺だった)

(でも、最後にムギが笑ってくれる未来を、
本気で信じてみても、いいだろ)

深呼吸して、携帯を開いた。

ムギのメールを開いて、
震える親指で文字を打ち込む。



高尾 ▶ ムギ
「ムギ、会いたい。話したいことがある。
明日、時間くれない?」



送信。

「……よし」

覚悟を込めたその一通が、
恋の結末を動かす――最後の一手。