大学のカフェの片隅で、ムギはひとりふてくされていた。
何をやってもふみくんに会えない。あんなに覚悟を決めて高尾と別れたのに、なぜか今日も高尾と一緒にいる自分がいる。
目の前でカフェラテを飲んでいる高尾の笑顔を見て
「もう、どうなってるんだよ…」
ムギは心の中でため息をついた。
それと同時に高尾もため息。
「なあムギ、ちょっとお願いがあるんだけど」
「ん?」
「バイト先でふみってやつと仲良くなったんだけどさ。そいつ、映画好きでさ。でさ、大学の女の子に映画に誘われたらしいけど……二人きりはちょっとって感じみたいで、気まずいからついてきてっていうからムギも一緒に来てくれないかな。なんか俺一人でいくと、お邪魔虫みたいだからさ」
その瞬間、ムギの中で何かが弾けた。
ムギは思わず身を乗り出した。
「えっ?ふみ?どのふみ?どこの大学の、どんな顔したふみ?」
高尾は笑いながら答える。
「お、おい!急に食いつくじゃん!知り合いなのか?」
高尾は少し不思議そうに眉をひそめる
「……いや、知らない知らない全然」
ムギの心はざわついた。
涼しい顔でコーヒーを啜るムギの内心は、嵐だった。
(ふみくんって言ったよね?
まさか高尾と同じバイト先で、大学の子に誘われて、戸惑ってて、助け舟って……神展開じゃん。ミラクルだ。)
何をやってもふみくんに会えない。あんなに覚悟を決めて高尾と別れたのに、なぜか今日も高尾と一緒にいる自分がいる。
目の前でカフェラテを飲んでいる高尾の笑顔を見て
「もう、どうなってるんだよ…」
ムギは心の中でため息をついた。
それと同時に高尾もため息。
「なあムギ、ちょっとお願いがあるんだけど」
「ん?」
「バイト先でふみってやつと仲良くなったんだけどさ。そいつ、映画好きでさ。でさ、大学の女の子に映画に誘われたらしいけど……二人きりはちょっとって感じみたいで、気まずいからついてきてっていうからムギも一緒に来てくれないかな。なんか俺一人でいくと、お邪魔虫みたいだからさ」
その瞬間、ムギの中で何かが弾けた。
ムギは思わず身を乗り出した。
「えっ?ふみ?どのふみ?どこの大学の、どんな顔したふみ?」
高尾は笑いながら答える。
「お、おい!急に食いつくじゃん!知り合いなのか?」
高尾は少し不思議そうに眉をひそめる
「……いや、知らない知らない全然」
ムギの心はざわついた。
涼しい顔でコーヒーを啜るムギの内心は、嵐だった。
(ふみくんって言ったよね?
まさか高尾と同じバイト先で、大学の子に誘われて、戸惑ってて、助け舟って……神展開じゃん。ミラクルだ。)



