一、監禁と甘い束縛

 目を覚ました雅美は、違和感に気づいた。

(……ここ、どこ?)

 寝台は天焉の私室と同じ作りだが、窓がない。外の音もない。

 部屋の隅にあったのは、分厚い鉄扉。
 そして、鍵の音と共に入ってきたのは、当然のように――天焉。

「お目覚めか。俺の可愛い妃」

「……ここ、どこなの……まさか、監禁してるの?」

「監禁とは失礼な。これは保護だ。……“俺だけが触れられるようにする”、極めて紳士的な配慮だろう?」

「配慮の意味、歪みすぎですってば!」

「なら、こう言い換えよう。――お前を、檻に入れないと我慢できなくなった」

 彼の声は低く、だがどこか濡れていた。
 ゆっくりと歩み寄ってきた天焉が、雅美を寝台に押し倒すようにして、のしかかる。