四、俺はずっと、狂ってた

 振り返れば、最初から壊れていた。

 帝としての理性も、
 国を守るという使命も、
 神の血を引く者としての矜持も――

 すべて、雅美に惹かれた日から消え去った。

 ただ一つだけ残ったのは、
 「お前を俺のものにする」という欲。

 この欲だけが俺を生かし、
 そして、禁呪を使わせ、
 命を賭けて、お前を抱いた。

(だから、お前が笑ってくれるだけで、すべて報われる)

 もしこの愛が狂気と呼ばれるなら――
 それでも、俺は何度でも同じ道を選ぶ。