「……いいのか? もう後戻りはできない」

「もう、後戻りなんてしたくない」

「そうか。なら――覚悟しろ」

 襦袢が落ち、肌が触れ合う。
 天焉の指先が、ゆっくりと雅美の背をなぞる。

「……最初は優しくしてやる。だが、我慢がきくかは保証しない」

「ふふ……あなたってほんと、変態」

「お前がそう言うのが、最高のご褒美だ」

 唇が重なり、首筋を噛まれ、
 雅美は天焉の腕の中で、何度もその名を呼ばされる。

「雅美……お前の声、全部、俺の中に刻み込む」

 指先も舌も、まるで魔術のように甘く。
 彼は一晩中、雅美の“すべて”を貪った。

 痛みも羞恥も、すべてが快楽に塗り替えられ、
 雅美はついに、心も身体も――完全に、天焉のものになった。