女嫌いの暴走族総長が、私だけに溺愛してくる

放課後、私は図書室の窓際に座っていた。
静かな場所を求めて来たはずなのに、心は全然落ち着かない。

(……煉、ほんとにここに来たの? 私に会うために?)

そんなこと、ありえるの?
でも、あの目は、嘘じゃなかった。

「ここにいたか」

後ろから聞こえた声に、肩がびくりと跳ねた。

「……煉、なんで……」

「お前が逃げそうだったから」

「別に逃げてないし。……ここ、入ってこないでよ」

「俺がどこにいようと自由だろ」

図書室の静寂を破るようなやりとりに、近くの生徒たちがちらりと視線を向ける。
それでも煉はお構いなしに、私の向かいに腰を下ろした。

「……昔みたいに、呼び捨てで呼んでくれよ」

「無理。今はもう、昔じゃないから」

「じゃあ……これからまた、始めればいい」

その一言に、思考が止まった。

煉の目は真っすぐで、私の心の奥をのぞきこむようだった。