ひと夏の星に名前をつけるなら

アル。
君は、星みたいな人だった。
どこか遠くて、でも確かに光っていて。
いつも私の“北極星”みたいに、
迷っていた私の心を、まっすぐに照らしてくれた。

君と出会ってから、私は少しずつ変わっていけた。

あの夏に、彼と一緒に見た星が、また同じように輝いている。

そこに、ほんの一瞬、
線を引くようにひとつの光が流れた。

——流れ星。

私は息をのんだ。

そっと目を閉じる。
今回はちゃんと願いごとをした。

「誰かの、ささやかな光になれますように」

それはきっと彼が、私にくれたものだったから。

隣で語ってくれた、星の名前。
焦らなくていいと、そばにいてくれた静かなやさしさ。
私が、何者でもなくてもいいと思わせてくれた存在。

あんな風に、誰かの夜を照らせる人になりたい。

私はこの星空の下で、少しずつ自分の未来を思い描けるようになっていた。

たとえば、まだ名前のない夢でも、願うことならできる。

きっとこの先も悩んで、迷って、立ち止まってしまうこともあると思う。

でも——

そのときは、またここに来て星を見上げればいい。
きっと、彼ががくれた光が瞬いている。

そう思える気がした。