檻の外で咲く恋

それで十分だった。

夜。

消灯の時間。

病室は静まり返っている。

時計の針の音だけが、
やけに大きく響く。

潤羽「……行こう」

潤羽が、小さく言う。

私も頷く。

ゆっくりと、ベッドから降りる。

足音を殺して。

ドアを開ける。

廊下は暗く、
人の気配は少ない。

一歩。

また一歩。

戻れない方へ、進んでいく。