檻の外で咲く恋

潤羽「……行こう」

潤羽が、はっきりと言う。

迷いのない声。

私は、少しだけ震えながらも、
ゆっくりと頷いた。

芹羽「うん」

それは。

戻れない方を選んだ、
小さな返事だった。

――もう、逃げるしかない。

看護師が去ったあと。

芹羽「……潤羽」

私が、小さく名前を呼ぶ。

芹羽「行くの?」

確認するような声。

潤羽は迷わず頷いた。

潤羽「行く」