檻の外で咲く恋

一瞬だけ言葉を選ぶように間を置く。

看護師「明日の夜が、一番人が少ないです」

心臓が、大きく鳴る。

看護師「裏口の通用口は、巡回の間隔が少し空きます」

具体的すぎない。
でも、十分すぎるヒント。

潤羽「……ありがとうございます」

潤羽が、小さく頭を下げる。

看護師はそれ以上何も言わない。

ただ、少しだけ視線を柔らげて。

看護師「無理はしないでください」

それだけ残して、
静かにカーテンを閉めた。

足音が遠ざかる。

完全に気配が消えたあと。

しばらく、誰も動かなかった。

やがて。