檻の外で咲く恋

絶対に、
“何もない人の顔”じゃなかった。

その日から。

私は、気づかないふりをやめた。

家の中を見る。

人の動きを見る。

時間を確認する。

そして。

気づいてしまう。

――おかしいのは、お姉ちゃんじゃない。

潤羽「……一颯」

名前を、口の中で転がす。

思い出す。

視線。

距離。

あの時の、違和感。