檻の外で咲く恋

優しさが、少し痛い。

夜になる。

それだけで、
体が強張るようになった。

足音ひとつで、
心臓が跳ねる。

ドアの向こうに誰かいるだけで、
呼吸が浅くなる。

――大丈夫。

そう言い聞かせても、
体は正直だった。

逃げたいのに、
逃げられない。

声を出したいのに、
出せない。

『芹羽』

名前を呼ばれるたびに、
胸の奥が冷たくなる。

何度も。

何度も。

繰り返される。

抵抗できなかった自分を、
責めることにも慣れていった。