檻の外で咲く恋

全部。

だから。

飲み込む。

何もなかったことにする。

それが一番いいと、
自分に言い聞かせる。

一颯「芹羽さ」

不意に、声が落ちる。

びくっと肩が揺れる。


一颯「今日、帰り早い?」

何気ない質問。

でも。

それだけで、
体が強張る。

芹羽「……普通、かな」

なるべく自然に答える。

一颯「そっか」