檻の外で咲く恋

――知られてない。

その事実に、
安堵している自分がいる。

同時に。

どうしようもない嫌悪感も、残る。

顔を洗う。

鏡に映る自分と目が合う。

ひどい顔。

でも、
これくらいなら誤魔化せる。

そう思ってしまう自分が、
少し怖かった。

リビングに向かう。

ドアを開ける前に、
一度だけ深呼吸をする。

大丈夫。

普通にすればいい。

何もなかったみたいに。

それだけでいい。