檻の外で咲く恋

息が、かかる距離。

一颯「ほら、できた」

ぱっと離れる。

まるで、本当にそれだけだったみたいに。

芹羽「……ありがとう」

遅れて、言葉を返す。

声が、少しだけ掠れていた。

一颯はそれに気づいた様子もなく、
先に扉を開けた。

一颯「行こっか」

その一言で、
また“普通”に戻される。

外に出る。

朝の空気が、少し冷たい。

それなのに、
さっき触れられた場所だけが、
妙に熱を持っていた。

学校までの道。

潤羽と並んで歩く。