檻の外で咲く恋

潤羽「手、どうかした?」

芹羽「あ、ううん。なんでもない」

笑ってごまかす。

ちゃんと、笑えているはず。

そう思いたいのに、
どこかぎこちない気がした。

朝食を終えて、立ち上がる。

芹羽「先、行ってるね」

なるべく自然に言って、
その場から離れる。

背中に視線を感じる。

振り返らない。

振り返ったら、
何かが決定的に変わってしまう気がしたから。

玄関で靴を履く。

一颯「芹羽」

また、呼ばれる。

今度は、すぐ後ろから。

近い。