檻の外で咲く恋

食卓は、いつも通りに進んでいく。

ママが今日の予定を話して、
潤羽が相槌を打って、
その横で一颯が軽く笑う。

どこにでもある朝の風景。

……の、はずなのに。

パンに手を伸ばした、その時。

指先が、触れた。

一瞬。

本当に一瞬だったのに、
反射みたいに手を引いてしまう。

一颯「悪い」

一颯が、軽く言う。

その声は、やっぱり普通で。

何も気にしていないみたいに、
またコーヒーに口をつける。

……私だけだ。

こんなに意識してるのは。

潤羽「お姉ちゃん?」

潤羽の声。