檻の外で咲く恋

逃げ場が、ひとつ減った気がした。 

壁に、背中が触れる。

いつの間にか、追い詰められている。

心臓が、嫌な音を立てる。

一颯「……芹羽ってさ」

低くなる声。

さっきまでと、少し違う温度。

一颯「ほんと、分かりやすいよね」


――この日を境に、私の中の“普通”は、静かに壊れていった。