檻の外で咲く恋

一颯「それかさ」

さらに一歩、近づく。

一颯「“お兄ちゃん”でもいいけど?」

冗談っぽい声。

なのに、目だけが笑っていない。

――選ばされてる。

そんな感覚が、背中を冷やす。

芹羽「……一颯、でいい」

気づけば、そう答えていた。

断る理由が、見つからなかった。

一颯「うん、それでいい」

満足そうに頷く。

その距離は、もう戻らない。

一颯「これで、ちょっとは家族っぽいね」

その言葉と同時に。