檻の外で咲く恋

日が立つのは早く、引っ越しの日。

それぞれ荷物を運び入れる
引っ越しは、あっけないほどすぐに終わった。

段ボールに囲まれた新しい部屋。
知らない匂い。
知らない天井。

芹羽「ここが、今日からの家か……」

小さく呟くと、隣で潤羽が「広いね」と笑った。

ママは楽しそうに部屋を見て回っている。

――あの日の違和感なんて、気のせいだったのかもしれない。

そう思おうとした、その時。

一颯「ねぇ、芹羽ちゃん」

不意に、背後から声がした。

振り返ると
そこに立っていたのは、一颯さんだった。

一颯「部屋、隣なんだって。」

にこっと笑う。

あの時と同じ、柔らかい笑顔。

一颯「これから、よろしくね。」