檻の外で咲く恋

数日が、静かに過ぎていった。

大きな出来事は、何もない。

それなのに。

その“何もなさ”が、
少しずつ、心を落ち着かせていった。

朝、目が覚める。

誰かのいる気配がする。

それだけで、
少し安心するようになっていた。

蒼真「起きてるか」

リビングから聞こえる声。

お兄ちゃんの声。

最初は、それだけで少し緊張していたのに。

今はもう、
そこまで構えなくなっている自分がいる。

芹羽「起きてる」

小さく返す。

それだけのやり取り。