檻の外で咲く恋

蒼真「昔、聞いたことある」

淡々とした声。

でも、その奥にあるのは軽くない。

蒼真「親父から」

その一言で、
空気が少しだけ変わる。

蒼真「……妹がいるって」

視線が、私に戻る。

蒼真「名前も、芹羽って言ってた」

それだけ。

それだけなのに。

妙に現実味が増す。

蒼真「……会う気はなかったけどな」

小さく付け足す。

どこか、自嘲気味に。

蒼真「関わると面倒になるの、分かってたから」