檻の外で咲く恋

車に乗る。

行き先は、
お兄ちゃんの家。

車内は静かで。

エンジン音だけが、
やけに大きく感じた。

潤羽は隣で、
何度も私の様子を確認する。

その視線に気づいて、
私は小さく笑った。

芹羽「ほんとに大丈夫だって」

潤羽「……嘘」

即答だった。

思わず、少しだけ笑ってしまう。

芹羽「バレてる?」

潤羽「当たり前」

短いやり取り。

それだけで。

少しだけ、
“いつも”が戻ってきた気がした。