檻の外で咲く恋

店を出た頃には、
夜の空気が少しだけ落ち着いていた。

ネオンの光も、
さっきより遠く感じる。

蒼真「歩けるか」

お兄ちゃんが、短く聞く。

私は一瞬だけ迷って、
それでも頷いた。

芹羽「……大丈夫」

本当は、少しだけ辛い。

でも。

ここで止まりたくなかった。

蒼真「無理すんな」

それだけ言って、
お兄ちゃんは少し歩幅を落とす。

気遣いなのか、
無意識なのかは分からない。

でも。

その距離感が、
少しだけ心を軽くした。