ふと、どこかで何かが落ちるような音がして、見ると先程北条くんがシーツをかけていた机が露わになっていた。
「北条くん、机が……」
「えっ、わー! 待って、見るなっ」
慌てて机に走り寄り、シーツに隠していたものを伏せていく北条くんを後ろからじーっと見つめる。
「なんで来るんだよ!」
「北条くん、もしかしてそれが素だったりする?」
話し方がいつもよりも砕けているというか、男の子っぽいなあって感じる。
それを今伝えると、北条くんはわなわなと唇を震わせた。
「いいから、向こうに戻って」
「ねえ、それ、写真?」
いくつか重なった色紙は、小学生のときに送った寄せ書きだと思う。
それとは別にひとつ、伏せられて見えない写真立てがあった。
どうしてもその写真が気になって聞くと、北条くんは写真立てを遠くへと押しやってしまう。
「見せてほしいな」
「これはだめ」
「何でも教えてくれるんじゃないの?」
とっておきの切り札を使うと、北条くんは苦い顔をして、しばらく悩んでいた。
わたしも折れずに待っていると、やがて諦めたように写真立てを渡してくれた。



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