繋いだ手、結んだ指先で。






週明けの月曜日、体も頭も重たくて、すっきりしない気分のまま学校に行った。

次に北条くんと会う日までに、どうにか気持ちを切り替えなければと思うのに、時間で解決する問題でもなく、はあっとため息が漏れる。


一度、思い切って立川先生に相談してみるか迷う。

気になることは自分に聞いてほしいと北条くんは言っていたけれど、これはあくまで、相談、だから。


自分の席で頭を抱えていると、机の端をとんとんと叩かれる。


「結衣、今日部活なくなったから一緒に帰らない?」


顔を上げると朱那がいて、嬉しい提案に少しだけ気分が明るくなる。


「うん。一緒に帰りたい」
「じゃあ、また放課後にね」


ぱちっとハイタッチをして朱那は自分の席に戻っていく。

北条くんの話は朱那にはしていないし、悩みを打ち明けることもできないけれど、気分転換になるといい。

そわそわとしながら午後の授業が終わるのを待って、帰りのホームルームを終えて席を立とうとしたとき。


「三瀬さん、ちょっといい?」


後ろの席の山岸さんに呼び止められた。

山岸さんの隣にはふたり、別の子がいて、突然呼ばれたことと、3人の視線が集まっている状況に少しだけ身構えてしまう。


「あ、いや、ちょっと聞きたいことがあるだけだからさ、そんなに固くならないで」
「うん……なに?」
「この間の土曜日。湖畔の公園にいた?」


土曜日、とまで聞いたところで嫌な予感はしていた。

あの公園にいたところを、誰かに見られていたんだ。

ひとりで待っているときの話ではなくて、わざわざわたしに聞くということは、北条くんと一緒にいるところを見たのだと思う。