勇者の証というのは今でもピンときていないけど、あれはお父さんがくれた、大切な物の一つだから余計悲しい。 「そ、そんな泣きそうな顔しないでよ…あぁもう!何か思い出せることはないわけ!?」 「思い出せること……?」 「ほら…例えば魔物の襲撃で、船が揺れたときとか…何かに髪が絡まったとか…そういうの!」 そんなことを言われても、あのときは__。 そのとき、一つ思い出した。 「あ、女の子に髪を触られました。私の髪が乱れていた…とかで」