「よう!お疲れ様だったな、カナヤ」


 「グリスさん…!」


 「グリス、でいいさ。その方が気楽だろう?」


 そこにいたのはまだ声をかけていない人物。

 私は駄目もとで聞いてみることにした。


 「あの、グリスさ…グリス」


 「ん?どうした」


 「私とパーティーを組んで、“魔王”と戦ってくれませんか?」


 グリスは目を丸くしたあと、申し訳無さそうに眉尻を下げた。