そして意外にも、その勇者騒動で困ったのは仲間集め。

 パーティーを組んでいない冒険者や、パーティーの数が少ない冒険者達に、私と組みませんか?と誘ってみたが駄目だった。


 「勇者のパーティーなんて恐れ多い…!」


 皆が口を揃えて言った言葉。

 例え間違いであっても、勇者という肩書きがあれば仲間集めは楽に進むかも…そんな考えは甘かったらしい。


 「…どうしよう…」


 宿屋に戻り一人でたそがれていると、背中をポンと叩かれた。