「あれ!?勇者様達はどこに行った!?」 「本当だ…どこにもいないぞ!」 __遠くからそんな冒険者達の声が聞こえる。 魔王城の出入り口まで辿り着いた頃、ようやくレウロさんが透明化魔法を解いた。 「うぅ…大変なことになりましたね……」 うめき声を上げる私に、四人も疲弊(ひへい)しきった様子で頷く。 「レウロさんの魔法に助けられましたわ…」 「そうだな、助かったよレウロ」 「えへへ…ナイス判断だったでしょ?」