「へぇ…立派だね」


 「見事だな…魔王も桜が好きだったんだろうか」


 「お城に飾るくらいですもの、そうに決まっていますわ!ねぇ、カナヤさん」


 「はい、きっとそうです」


 ノエルさんと顔を見合わせて笑う。


 淡いピンク色の花びらが舞い落ちる中、五人で桜を見上げていると、騒がしい足音が聞こえてきた。


 「えっ、誰?誰?」


 レウロさんの呟きと同時に、足音の主が扉を開けた。