*** 「…これは……」 階段を登りきった私達の目の前に現れたのは、豪華なお城の中にそびえ立つ一本の木。 「ピンク色の綺麗なお花が咲いていますわ…」 「本当だ…これ、なんの木なんだろう?」 ノエルさんとレウロさんが不思議そうに花を見上げる。 「これは“桜”といって…春の島では有名な植物なんですよ」 私が桜の太い幹に手を添えながら答える。 エトさんとグリスが感心したように桜を見上げた。