それは一瞬だった。 高速で移動した魔王は、ノエルさんの真後ろで笑っている。 「どれ、ちと魔法の手本を見せてやろう」 魔王の手がノエルさんの背中にあてられる…! 「っ、ノエルさん、避け__!!」 「闇魔法」 瞬間、小さな爆発が起きた。 その場に倒れ込むノエルさんに、エトさんが手を伸ばす。 「回復魔法!!!」 ノエルさんの体を淡い光が包む。 だけど、その回復には時間がかかりそうだった。