「危ないから、走るならちゃんと前を見て走りなよね」 現れた男の子は白い、神父様のような修道服に身を包んでいた。 サラサラの黒いショートヘアが風になびく。 「スゴいスゴい!お兄ちゃん、おケガ治してくれてありがとう!」 「お礼はいいから、暗くならないうちに家に帰れよ?」 「うん!」 女の子は元気よく頷くと、パタパタと走って行ってしまった。