上空を見ると、建物の屋根に引っかかっている赤い風船が見えた。 まだ割れていない、良かった。 これなら。 「ちょっとだけ待っててね」 「…え?…」 両足に力を溜めて、思いきりジャンプをする。 伸ばした手はしっかりと風船を掴んでいた。 ストンと着地した私を女の子はキラキラした瞳で見上げてくる。 「お姉ちゃん、スゴい!」 「えへへ…はい、風船!もう放しちゃダメだよ」 「うん、ありがとう…!」