__ふと、何かが聞こえた。 耳を傾けてみると、僅かに声が聞こえる。 「ぇ…ん……うぇぇん……!」 子供の泣き声だ。 私は直ぐさま声の主の元へと走った。 「ねぇ、大丈夫!?どうしたの?」 薄暗い路地の中で見つけた女の子は、その場で座り込んで泣いている。 女の子は必死に涙の理由を話してくれた。 「ぐすっ…あ、あのね…転んじゃって、風船が飛んで行っちゃったの……」 「風船が…?」