『ほら、席戻った戻った。』

「ちぇっ。はーい。」

先生が教室に入ってきた。

「転校生がいる。入ってこい。」

はい、という返事とともに教室に入ってきたのは、昨日の男の子だった。

「詩音 奏。」

「それだけか?」

「はい。」

「じゃあ、詩音の席は栗本の隣だ。栗本、手挙げろ。」

『はい。』

奏は私の隣に座った。

ちらっと見ると、奏と目が合ったが、すぐに逸らした。

HRが終わった。