響きあう恋のメロディー

私から、多分黒いオーラが出ていたと思う。

『説明して。』

「はい。」

奏の説明によると、どうやら私がボーカルとしてバンドに入ったことを記念して、うちの中学校でバンドをするらしい。

『別にやんなくてもよくない?中学校じゃなくて、次のライブでやればいいんじゃないの?』

「ダメだ。」

『なんで?』

「それはね、日向ちゃんを思ってなんだよ。」

私の疑問に答えたのは、楽くんだった。

『私のため?』

「一番の最初のライブで、何百人といる人の前でやるより、200人くらいの人たちの前でやる方があんまり緊張しないと思わない?」

『確かに...』

「そういうこと。奏はね、日向ちゃんのことをちゃんと考えてるんだよ。」