響きあう恋のメロディー

奏が近づいてきた。

私は、後ろに下がっていく。

壁が迫ってきた。

もう逃げるのは、無理だ。

そう思い、奏の横を通り抜けて、雫の腕をつかんだ。

『ちょっと、来て!』

「え?」

雫の返事も聞かず、走って階段の裏に移動した。

「ちょ、っと、いきなり、走ら、ないでよ~」

雫は息切れしながら、言った。

『ごめんね。』

「で?どうしたの?」

雫は息を整えると、聞いてきた。

『あのね、恋したかもしれないの。』

「ほんとに⁉だれだれ⁉」

雫は、目をキラキラさせて食いついてきた。

『奏』

「そっか~。奏ね~。告白するの?」

『したいとは思うけど...』

「そっか!頑張ってね!」