お医者さんが入ってきた。

「舞彩さんは、無事ですよ。過労で倒れてしまいましたが、少しすれば大丈夫になりますよ。」

『そうですか。』

お医者さんはそれでは失礼します、と言って病室から出ていった。

よく見ると、お母さんの目の下にはクマができている。

それに加え、前よりも少しやせ細っている。

こんなになるまで、働いて

ごめんなさい

気づけなくて

本当にごめんなさい

私の頭はどんどん下へと俯いていた。

その時、扉が開いた。

反射的に見ると、奏を除いた3人がたっていた。

『なんでいるの?』

「電話の内容が聞こえちゃって。」

楽くんが答えた。

『そっか。』

「日向先輩...」

私の落ち込んだ様子に響くんが心配したように言う。