『そうなんだ。』

今思えば、詩太くんの髪はいつもサラサラ、肌もできものどころか、ニキビすらもない。

それに加えて、日焼けしていない。

すごいな~。

私も見習わなきゃ。

そう思いながら、みんなについていった。

しばらくすると、着いた場所は、小さいスタジオ。

奏がスタジオの扉を開け、入っていった。

奏につづいて、スタジオの中に入った。

「こいつが、この間言ったボーカルです。」

奏がそう言ったあと、私の肩を掴んで、隣に立たせた。

肩を掴まれて、トクンと胸が鳴った。

「日向、か?」

知ってる声がした。

その声の主は、"あの人"と言われていた人だった。

え?


なんで


なんで、いるの。


『お兄、ちゃん...』


そこには、昨日ショッピングモールで見つけた、お兄ちゃんが立っていた。