響きあう恋のメロディー

雫と一緒に教室に入ると、やっぱり奏が先に教室にいた。

自分の席に行き、荷物を机の中にしまった。

そして、本を開いた。

読んでいると、奏が話しかけてきた。

「なぁ。」

『なに?』

「その本、結構前に出された本だよな。」

『そうだよ。』

「いつ買ったんだ?」

『小学1年生の時。』

「は?7年前じゃねぇか。」

『そうだけど。』

「何回も読んでんのか?」

『うん。』

「なんでだ?」

「それはね、日向の大事な人に買ってもらった本だからだよ。」

私の代わりに答えたのは、雫だった。

「ごめんね、雫。代わりに答えちゃった。」