『賞状が飾られている部屋|《あの部屋》、見られちゃった。』

「あ~。」

私がそう言うと、雫が察したように相槌を打つ。

「ねぇ、日向。」

『どうしたの?』

「また、大会とかでないの?」

雫が真剣に聞いてきた。

『出ない、出たくない...』

「前の事気にしてるの?」

『うん...』

「後ろばっかり、向いてると、前進めないよ?」

『分かってる。』

「そんなんじゃ、ダメだってこと分かってるの?!」

『そんなの自分が一番分かってるんだよ‼』

つい、強い口調で言ってしまった。

「日向...」

『ごめん、強く言っちゃって。』

「私こそ、ごめん。日向が一番分かってるのに、口出しちゃって。」