先生×秘密

クラス別に委員が集まり、文化祭の活動内容の確認が始まっている

男子委員A
「ポスターとかも作るんだよね?誰が描く〜?」
「去年の3年のやつ、超本格的だったよな〜」

しげちゃん
「……てことは、もっちゃんの出番じゃない?
ガチであの子、絵うまいからさ!」

コメ
「うん……わかる。雰囲気もなんか、すごくいいよね」

そのとき、後ろのドアが開く

男子B「あ、先生来た!」

渡部先生が静かに入ってくる。誰もがちょっと姿勢を正す


男子A
「先生って文化祭委員な感じしないな〜。クールな感じだからさ。体育祭や文化祭って、熱血先生がやりそう」

先生(淡々と)
「そう?俺が自分でここ、選んだけど?」

その言葉にざわっとする空気


男子B
「カオリもまさか先生が文化祭にくるとはおもってなかっただろーな!!カオリ残念!!」

先生
「さ、はじめるぞ」
先生は軽く笑って受け流し、確認作業をはじめた。


 * * * 


委員会の仕事が終わり、生徒たちはぞろぞろと教室を出ていく

コメは少しだけ残って、窓際のプリント整理をしている

先生(近づいてきて)
「……ありがとな、手伝ってくれて」

コメ
「いえ……こっちこそ。
 ポスター制作、美術部にボランティア募らないとですね」



先生は教卓の上に寄りかかりながら窓の外をみている。
きっとタバコがすいたいんだろうな。

コメ
「先生って……絵とか、描くんですか?」

先生(間をおいて)
「描かないけど、見るのは好きだよ
 一応、美術部の副顧問だしね」

美術部の副顧問だったんだ。
それで、文化祭委員選んだのかな
なんとなく、心の中にポツンと石を落とされたような
小さな衝撃だった