幼馴染×存在証明

中学に進む頃には、アスカとの関係は大幅に改善した。


私はあの日から、アスカがいないと違和感を感じるほど、日常のほぼ全てを積極的に彼と共に過ごした。


彼に感じていた恐怖は、いつの間にか、”アスカに嫌われれば居場所を失う”という恐怖に置き変わり、彼の好みや嫌いなものを分析して、自ら機嫌を取るようになった。


そうして少しずつ関係が修復され、今では隣にいることが自然になった。


いつからか、アスカは学校での素行もかなり落ち着いて…というか、寧ろ優等生と言える程になり、生徒会長を務めるまでになった。


もちろん、三嶋の人間として、学校での評価を上げることは彼にとって必然な流れであったのかもしれないが、そこに私も一役買っているのは間違いなかった。


幸か不幸か、総帥の計らいは上手くいったのかもしれない。


私は三嶋の人間として周囲に認知されるようになり、三嶋財閥の社交にも出席するようになった。


友達というよりは、主従として。私自身アスカとの関係をそのように認識していた。


そんな彼との奇妙な共生関係に終わりが訪れたのは、私が中学2年の夏だった。