幼馴染×存在証明

口を開きそうにないアスカに、椿が視線を投げ続ける。


重苦しい沈黙が続いていた時、コンコンと、ドアを叩く音が室内に響いた。


「俺が出るよ」


そう言って立ち上がり、俺は扉を開ける。


すると外にいた中央委員の生徒が、申し訳なさそうに頭を下げた。


「おっお休みのところ申し訳ありません!こちらに、三嶋委員長がいると聞き、お伺いしました!

そろそろ会場に戻っていただきたく…!」


時間切れ、か。


後ろでアスカが立ち上がる気配がした。


「今行く」


彼は外に向かって声をかけて、あっという間に扉までやってきた。


「…失礼します」


そう言って去ろうとする彼に椿が声をかける。


「溜め込みすぎて爆発するなよ」


「…頭に入れておきます」


椿を一瞥した彼は、中央委員の生徒と共に、会場へと去って行った。


俺は扉を閉め、ため息をつきながらソファに沈む。


隣で再び横になろうとしている椿に声をかけた。


「椿、お前本当は、大体分かってるんでしょ」


先ほどアスカと話していた椿の顔を思い出す。


ああいう顔をしてる時の椿は、何かを察した上で相手の出方を伺っていることが多い。


だから俺も邪魔することなく黙っていた。


「…どうだろうな、5割いってたら良いくらいだな」


「…うざ」


俺はまだ1割程度しか状況を読めてないのに、本当にアスカと揃って嫌味な奴だ。


「爆発しないと良いんだがな」


そう言ってアスカが出て行った扉を見る椿は、珍しく真面目な顔だった。