幼馴染×存在証明

日凪先輩とは、ここ1週間ちょっとで、かなり仲良くなった気がする。


図書室内の点検中に、当番でないにも関わらず後をついてきたり、カウンターで本を貸し出している時はぴたりと隣にくっついて本を読んだり。


今のようなボディタッチも自然と増え、仲良くなったと言うより、懐かれているという感じに近い。


日凪先輩はタタタッとスマホを軽快に弾いて、連絡先を追加する。


そして満足気にスマホを返すと、くぁ、と、眠そうに欠伸をこぼした。


「眠いですか?」


「…ん。楽しみで、あんま眠れなかった」


眠そうに目を拭う先輩に、心臓をギュンと鷲掴みにされる。


ただ、小学生のような理由の可愛さとは裏腹に、まどろんでる表情には色気があって。


見てはいけないものを盗み見てる気分になり、思わず目を逸らした。


普段から割と眠そうにしてる人ではあるが、前髪の長い先輩と、今の顔が見えている先輩とでは、まどろみ方の破壊力に数段違いがあるような…


私はパタパタと顔を手で仰ぐ。


「それなら良かったです、私が強引に誘ったようなものなので」


確かもともと先輩は、新歓ダンスパーティには来るつもりがなかったはず。


今更ながら面倒がられてないか不安に思う気持ちもあった。


「…そのドレス、すごく似合ってる。

今日来て良かった」


そんな私の考えを悟ったのか、先輩は私の髪にサラリとと指を通しながらそう言った。


ストレートな言葉と甘い視線に、心臓がトクトクと早まる。


「…先輩も今日、すごくかっこいいです」


思わず赤面しそうになり、下を向いてつぶやいた。


会場が暗いのがまだ救いだ。


舞台の続きを眺めながら、私は改めて日凪先輩を誘って良かったと思った。