幼馴染×存在証明

友ってなんだ。


私とアスカは友達だろうか。


そもそもこの人はなぜ、彼からして目障りな自分を、彼の側に置くのだろうか。


総帥の言葉を頭の中で何度も反芻し、一つの結論に至った。


これは、”実験”なのだと。


きっとこの人は、息子の教育に、なにか良い刺激にでもなればと、試しに私を与えてみただけで。


自分は、この『三嶋財閥』の未来を思って、たまたま都合良く迎えられただけで。


きっとこれは最終宣告。


アスカと”友達”に、アスカと”良き関係に”、アスカにとって”良い影響を与える存在”でなければ、必要ないと。


アスカのため、延いては自分自身のために、”友達”でありなさいと。


そういう宣告なのだ。


「…恥ずかしいところを見せてしまいました。」


目の端に残る涙を拭い、私は決めた。


私は私のために、アスカと関わり続け、この家に、自分が必要な存在だと認めさせる、と。


防衛本能か、ある種の自己洗脳か。


”私の居場所ができるのなら、どんな事だってしてみせる。”


これが、私にとって苦境を乗り越える一つの指標になった。